のづ記

Twitterは@shin_notturiaです。本とかゲームとか怖い話とか。

【ゲームの話】麒麟もこないし無双も来ない

皆さんこんにちは、のづです。
何度かご報告いたしました通り、2020年7月現在も弊ブログは「戦国無双5」と検索するとトップに出るという状態にあります。
思えばこのブログの主たるコンテンツである【ゲームの話】シリーズは、2019年のTGS(東京ゲームショウ)にかこつけたもので、少し早いですがかれこれ一年ほど続けていることになるわけです。
しかしながら、その記事を書いた当時と現在では戦国時代に関するコンテンツ情勢も全く異なるものとなっています。一方でいまだに戦国無双5に関する情報は一切ないという状況です。
そこで今回は、2020年の大河ドラマ麒麟がくる』を意識した結果、戦国無双5の制作が遅れているのでは、という話をしようと思います。

今回のキーパーソンとして取り上げたいのは斎藤道三織田信長です。織田信長は言うまでもなく戦国無双に一作目から登場している戦国時代随一の知名度を誇る人物です。斎藤道三は美濃の戦国武将で濃姫の父、つまりは信長の義父にあたる人物です。その生涯、特に後半生に関しては、それこそ今年の大河ドラマで主役を食う勢いで実に魅力的に描かれておりました。ここで長々と書くのはやめておきましょう。道三も決して知名度が低い人間ではなかったのでしょうけれど、2020年7月現在まだ戦国無双にはムービーシーンで影に隠れた姿を映すのみとなっています。

さてこの道三の扱いが、実は大変に厄介なのです。大きく分けて2点あります。
1つ目は道三の年齢です。
斎藤利政という呼び名よりも、出家後の道三という呼び名のほうが広く知られているように、その容姿も剃髪した僧形でしょう。出家したのが1554年で、死んだのが1556年ですから、「道三」というのはたった2年しか名乗っていない晩年の呼び名ですので、自ずと老齢に差しかかったデザインで描かれることが多いようです。

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信長の野望 大志』での道三
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『仁王2』での道三

道三は息子の高政(のちの義龍)との争いの中で死にますが、享年は63とのことですので、悟りの域に達した老将というデザインになることは考えにくいですし、『国盗り物語』をはじめとする諸作品で築かれてきた「美濃の蝮」然とした野心に燃えるエネルギッシュな奸雄といったパブリックイメージから大きく逸脱するとは考えにくくもあります。
信長の義父たる道三が老境とは呼べぬ年齢で出るとなった場合、信長に青年期グラフィックを実装する必要性が出てきます。一シリーズファンの要望としましては、真田家の面々以外にも、幸村と同年生まれの立花宗茂伊達政宗、信長・秀吉・家康の戦国三傑には最低限2つは年齢の変化を見せるグラフィックを用意してほしいですが、当然ながらコレは制作サイドとしては手間となります。一ユーザーがここまで制作の事情を慮る必要があるのかは別として…

2点目は信長の青年期は、信長はおろか戦国無双シリーズ全体に大きな変化をもたらすことになるという点です。

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戦国無双3』の織田信長。システムやシナリオに多く難を抱えていたが、3デザイン面では決定版と言っても差し支えないものを多く生んだ。


ここからは信長に青年期グラフィックが実装されたという仮定で話を進めます。
無双シリーズ織田信長は、革新的な思考の持ち主というパブリックイメージと、「第六天魔王」という書状での名乗りを強調した、苛烈な超人然とした人物像となっています(妙なところでヒューマニストになる時もありますが)。
そんな信長に対し、青年期という成長途中、換言すれば未熟さを残す時期を描こうとすると、どうしても従来の無双信長の性格との食い合わせが悪いことになります。また、織田信長は既存の無双武将と広く関係を持つキャラクターであり、これらの関係性も自ずと修整する必要が出てきます。
15年間微調整を加えつつも、大筋が変化せぬマンネリと言わざるを得ない状況を打破するきっかけにもなりそうな一方、奇抜さがない分安心して楽しめるという側面をファンが感じているのも事実でしょう。キャラクターの大幅な改変は、既存ファンの批判を生む可能性もあります。言葉を選ばす申せばキャラゲーとしの側面が作品数を重ねる度に大きくなっている戦国無双シリーズにおいて、キャラヘイトは死活問題です。

本木雅弘演じる斎藤道三が想像を遥かに超えて魅力的であった為に、あやかりたい気持ちは間違いなくあるでしょうが、コレに乗ることで過去作で築いてきたものを捨てる事にもなる局面が、発表すらない状況を作り出しているのではないか、というお話でした。

まぁゲームの制作期間とか詳しく知らないけど、絶対にいまから新武将決めてるわけないんだけどね。









今回は愛姫につなげられなかったよ……