のづ記

Twitterは@shin_notturiaです。本とかゲームとか怖い話とか。

【ゲームの話】麒麟もこないし無双も来ない

皆さんこんにちは、のづです。
何度かご報告いたしました通り、2020年7月現在も弊ブログは「戦国無双5」と検索するとトップに出るという状態にあります。
思えばこのブログの主たるコンテンツである【ゲームの話】シリーズは、2019年のTGS(東京ゲームショウ)にかこつけたもので、少し早いですがかれこれ一年ほど続けていることになるわけです。
しかしながら、その記事を書いた当時と現在では戦国時代に関するコンテンツ情勢も全く異なるものとなっています。一方でいまだに戦国無双5に関する情報は一切ないという状況です。
そこで今回は、2020年の大河ドラマ麒麟がくる』を意識した結果、戦国無双5の制作が遅れているのでは、という話をしようと思います。

今回のキーパーソンとして取り上げたいのは斎藤道三織田信長です。織田信長は言うまでもなく戦国無双に一作目から登場している戦国時代随一の知名度を誇る人物です。斎藤道三は美濃の戦国武将で濃姫の父、つまりは信長の義父にあたる人物です。その生涯、特に後半生に関しては、それこそ今年の大河ドラマで主役を食う勢いで実に魅力的に描かれておりました。ここで長々と書くのはやめておきましょう。道三も決して知名度が低い人間ではなかったのでしょうけれど、2020年7月現在まだ戦国無双にはムービーシーンで影に隠れた姿を映すのみとなっています。

さてこの道三の扱いが、実は大変に厄介なのです。大きく分けて2点あります。
1つ目は道三の年齢です。
斎藤利政という呼び名よりも、出家後の道三という呼び名のほうが広く知られているように、その容姿も剃髪した僧形でしょう。出家したのが1554年で、死んだのが1556年ですから、「道三」というのはたった2年しか名乗っていない晩年の呼び名ですので、自ずと老齢に差しかかったデザインで描かれることが多いようです。

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信長の野望 大志』での道三
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『仁王2』での道三

道三は息子の高政(のちの義龍)との争いの中で死にますが、享年は63とのことですので、悟りの域に達した老将というデザインになることは考えにくいですし、『国盗り物語』をはじめとする諸作品で築かれてきた「美濃の蝮」然とした野心に燃えるエネルギッシュな奸雄といったパブリックイメージから大きく逸脱するとは考えにくくもあります。
信長の義父たる道三が老境とは呼べぬ年齢で出るとなった場合、信長に青年期グラフィックを実装する必要性が出てきます。一シリーズファンの要望としましては、真田家の面々以外にも、幸村と同年生まれの立花宗茂伊達政宗、信長・秀吉・家康の戦国三傑には最低限2つは年齢の変化を見せるグラフィックを用意してほしいですが、当然ながらコレは制作サイドとしては手間となります。一ユーザーがここまで制作の事情を慮る必要があるのかは別として…

2点目は信長の青年期は、信長はおろか戦国無双シリーズ全体に大きな変化をもたらすことになるという点です。

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戦国無双3』の織田信長。システムやシナリオに多く難を抱えていたが、3デザイン面では決定版と言っても差し支えないものを多く生んだ。


ここからは信長に青年期グラフィックが実装されたという仮定で話を進めます。
無双シリーズ織田信長は、革新的な思考の持ち主というパブリックイメージと、「第六天魔王」という書状での名乗りを強調した、苛烈な超人然とした人物像となっています(妙なところでヒューマニストになる時もありますが)。
そんな信長に対し、青年期という成長途中、換言すれば未熟さを残す時期を描こうとすると、どうしても従来の無双信長の性格との食い合わせが悪いことになります。また、織田信長は既存の無双武将と広く関係を持つキャラクターであり、これらの関係性も自ずと修整する必要が出てきます。
15年間微調整を加えつつも、大筋が変化せぬマンネリと言わざるを得ない状況を打破するきっかけにもなりそうな一方、奇抜さがない分安心して楽しめるという側面をファンが感じているのも事実でしょう。キャラクターの大幅な改変は、既存ファンの批判を生む可能性もあります。言葉を選ばす申せばキャラゲーとしの側面が作品数を重ねる度に大きくなっている戦国無双シリーズにおいて、キャラヘイトは死活問題です。

本木雅弘演じる斎藤道三が想像を遥かに超えて魅力的であった為に、あやかりたい気持ちは間違いなくあるでしょうが、コレに乗ることで過去作で築いてきたものを捨てる事にもなる局面が、発表すらない状況を作り出しているのではないか、というお話でした。

まぁゲームの制作期間とか詳しく知らないけど、絶対にいまから新武将決めてるわけないんだけどね。









今回は愛姫につなげられなかったよ……

【ゲームの話】俺たちは細川忠興に夢を見る

皆さんこんにちは、のづです。
今日も今日とてゲーム、要は戦国無双の話です。世の中、気が滅入るようなニュースで溢れているのだか、変わらず駄話*1で皆様の気休めにでもなればいいかなと思っています。
今日は豊前小倉藩初代藩主にして肥後細川家の初代たる戦国末江戸初期の大名、細川忠興の話です。
どうか最後までお付き合い下さい。


1,史実の概略
細川忠興は1563年、室町将軍家の足利氏の支流細川氏で、13代目将軍足利義輝に仕えていた細川藤孝の嫡男として誕生しました。
義輝が三好家の手で討たれる(永禄の変)と、信長らと共に15代目将軍義昭を擁立。この義昭が信長と対立すると、細川親子は信長方につき、以降忠興は信忠に仕えます(忠興という名は信忠からの偏諱)。
1577年には信長に反旗を翻した松永久秀との信貴山城の戦いでは、大和国片岡城を父の藤孝や明智光秀らと共に落とした功から、感状を貰っています。翌年には信長の斡旋のもとに光秀の三女玉(ガラシャ)と結婚します。

信長・信忠が本能寺の変で死ぬと、義理の父でもある明智光秀への協力を拒否し、以降は秀吉の天下取りを支えることになります。

秀吉の死後は石田三成と対立*2し、関ヶ原の戦い以降は徳川家に仕え、冒頭にも述べたとおり、九州で確固たる基盤を築き、1646年に死去しました。


2,内々定が出たサラブレッド
さて、この忠興は無双ファンの方ならお気づきでしょうが、既存の無双武将にもなっている面々と広く交流があります。
織田、豊臣、徳川と三傑のもとを渡り歩き、今年の大河ドラマ麒麟がくる』の主人公に選ばれた明智光秀やその娘ガラシャ関ヶ原の戦いでは石田三成とも接点を持ちます。大河ドラマの主役ともあって光秀は次回作で確実に出番も増えることでしょうし、ガラシャは人気投票で上位入選常連メンバーです。それらと密に絡めるのはとても「使い勝手のいい」ポジションと言えます。

人柄や逸話から見ても、武将でありながら当代随一の教養人、名門の出であるなど、諸作品で描かれるガラシャを溺愛するヤンデレ的なキャラ付*3を使わずとも、100人を超える無双武将の中でも個性的な人物像を作るのも苦労しません。

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信長の野望 戦国立志伝』での細川忠興

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『100万人の戦国無双』での細川忠興
次回作での新規PCとして、公的な情報がない以上は確定と言えませんが、最有力候補と読んで差し支えないでしょう。

むしろなぜ今まで出なかったのかと思わざるを得ないほどの人材ですが、その一因が彼のデザインにあると考えます。事項ではこの事について語ろうと思います。



3,克服された雉羽根兜
戦国無双において何故細川忠興が今まで出なかったのか。私はコーエー社員でも業界関係者でもないので断言は出来ませんが、要因の一つに忠興のデザイン面で難点があったのではないかと考えています。
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それがこの越中頭形兜です。山鳥の羽を立てた個性的な兜で、上に載せた『信長の野望』でもこの兜をモチーフにした絵柄となっているのが分かるかと思います。これだけ個性ある兜ですので、使わない手はありませんね。
さて、戦国無双シリーズは3Dアクションゲームですから、CGモデルが必要となります。その際にあまりに長大であったり、幅が広いものは、その部分が他のCGオブジェクトに触れてを貫いてしまう現象が起こりえます。

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たとえばこのキャプションでは、背負った弓矢や鉄砲がマントを貫通している。

つまり長大であればあるほど、幅広であればあるほど、モデリング作成は「破綻」しやすくなります。私はCG技術に関して門外漢ですが、こういった現象を極力少なくさせたいと思うのは当然のことでしょう。
しかしながらこの問題にも解決の糸口、というよりも、コーエーテクモは明確に克服したようです。弊ブログでもたびたび名前を挙げています『仁王2』にて、この野鳥の羽を付けた兜が装備品として登場したのです。

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画面右。細川忠興を意識して作った装備揃えだが、我ながらうまくいったと思う。

こうなった以上、もはや細川忠興参戦が危ぶまれる要素は一つもないと言っても過言でありません。


4,弊ブログ的に…
先日、蒲生氏郷戦国無双に登場するのは、愛姫参戦を遅れさせる可能性があるという旨の記事を書きました。

notturia.hatenablog.com


今回も新武将予測記事であり、蒲生氏郷よりも細川忠興の方が参戦する可能性ははるかに高いとみています。
では、この傾向が弊ブログ的には歓迎すべきことか、懸念事項なのか、換言すれば「細川忠興の参戦は、愛姫参戦にどう影響するか」という点ですが、これは愛姫参戦を促すものであり、喜ばしいことと捉えています。
というのも、先ほど述べた通り忠興は既存の無双武将と多く絡める逸材ですが、伊達政宗とも交友関係にあるからです。
www.masamune-date.com

忠興とのプライベートでの交流となれば、当然ガラシャも関わってきます。となれば、政宗一人で忠興、ガラシャとやり取りするよりも、伊達サイドにもガラシャと交友関係を持てる女性PCがいる方が良いというのは、火を見るよりも明らかです。史実でも交友関係があり、伊達政宗と縁の深い女性、となれば正室である愛姫こそが最適解です。

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つまりこういうこと。

というわけで、やはり戦国無双5で愛姫をPC化すべきです。






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*1:TBSラジオの帯番組『アフターシックスジャンクション』の前身、『RHYMESTER宇多丸のウィークエンドシャッフル』で多用された表現。字面から伝わるかと。

*2:加藤清正らと共に三成の屋敷襲撃にも参加

*3:たとえば『100万人の戦国無双』でもここが強調されていた。

【ゲームの話】嘘の戦国無双5新キャラプロフィールを書こう。

皆さんこんにちは、のづです。
ここ最近の当ブログに以下のような事案が起こりました。

 

 

心から申し訳ないと思う。

 

まぁヤク中を疑われるのは今に始まった事ではない*1ので、むしろオチとしてよくまとまったというくらいに思ってますが、当ブログをもって混乱を招いてしまうのはいただけません。
なので今回は誰が見ても公式情報と誤解しないで済むようなタイトルにした上で願望をいつも以上露骨にした記事を書こうと思います。

 

 

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なお本記事の無双武将のイメージ画像として『仁王2』のエディット機能を利用しています。

 

 

 【山県昌景

『王道を拓く刃』(CV.小松史法)f:id:notturia:20200523143641j:plain

竹田信玄四天王の筆頭格。常に余裕を絶やさぬ実力の持ち主で、武田軍の象徴である赤備え騎馬軍を指揮する勇将。川中島三方ヶ原の戦いでも先鋒として活躍した。真田昌幸のことを、武田の今後を支える人材として目をかけている。

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指揮棒を使う昌景は手数の多さが魅力。特殊技では騎馬隊を呼ぶこともできる。

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信玄よりある命令を受け、昌景は王道を支える決意を新たにする。




 

 

細川忠興

『激情を抱く俊英』(CV.内田雄馬)

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名門細川家の壮士、細川幽斎の嫡男。千利休の愛弟子である利休七哲の列せられるなど茶の湯など文化にも通じた教養人で、信長のもとで活躍する明智光秀にもその才を認められる。自身の信じる正しさに対し潔癖なまでに忠実であり、悪と断じた者へは凶暴なほど攻撃を加える。

 

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オーソドックスな刀を使う忠興は、素早い通常攻撃と大振りなチャージ攻撃を使い分けることが勝利の鍵となる。

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忠興が刃を向ける相手とは…

 

 

 

最上義光

『豪放なる驍将』(CV.小山力也)

出羽国(現在の山形県)の戦国大名で、伊達政宗の叔父にあたる。強かな策士ぶりと、何事にも誇りを以て臨む紳士然とした二面を持つ人物。時に敵対し、時に味方と、政宗を翻弄する傑物である。ある事件をきっかけに、豊臣秀吉に対して強い敵対心を抱くようになる。

 

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体格の良さを活かし、巨大な鉄棒を自在に操る義光。威力と広い攻撃範囲が魅力だ。

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義光を襲う悲劇。この事件を機に、秀吉への信頼が揺らぐことに…

 

 

 

【まつ】

『絢爛たる香栄草』(CV.坂本真綾)

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前田利家が傾奇者として鳴らした頃より支えてきた、前田慶次も惚れ込む女傑。常に快活とした性格で自然と人を惹きつける魅力の持ち主。秀吉とねねとは夫婦ぐるみの付き合い。乱世にあっても仁義を通そうとする利家を影に日向に支える。

 

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夫である利家と同じく、長槍を得物とする。

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時に向こう見ずな利家に呆れることも。




 

 

【愛姫】

『氷華の才媛』(CV.伊藤静)

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陸奥国(現在の福島県)三春城の大名、田村清顕の一人娘。幼き頃から「愛(め)ごい」と褒めそやされた美貌の持ち主で、隣国の伊達政宗に嫁ぐ。何事にも冷徹に臨む才女でもあり、若き政宗を、王たる存在にするため、伊達家の忍び衆「黒脛巾組」を冷静沈着に指揮して彼を支える。

 

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火縄銃や手裏剣など豊富な武器を使いこなす愛姫。状況に応じて使い分けよう。



 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?今回はPV第一弾にて発表された*25人の新たな無双武将について書きました。

というよりも、5人までやったところでキャラメイクの作り分けに飽きが来たので今日はここまで。

 

脳内PV第一弾に関する記事はこちら。

 

notturia.hatenablog.com

 

*1:フォロワーからの罵倒には「丁寧語が逆に怖い」「気軽に狂うな」「ヤク中であってくれたほうがまだ理解が出来る分良かった」などがある。

*2:無論、脳内のものであり現実にはないPVである。

【ゲームの話】蒲生氏郷という脅威

皆さんこんにちは、のづです。
今日は戦国無双新作をめぐる状況で、少しだけ危惧すべき要素が強まったので急遽記事をアップしました。

さて、もはや改めて言うまでもありませんが、私は愛姫参戦急進派と自称して差し支えないのないスタンスにあり、新作においては何にも先に愛姫がプレイアブルキャラクター化することを希望しております。そんな立場の私が書くものですので、当エントリも「愛姫参戦に関して影響を与えうる因子のバランスに変化があった」という報告ないし妄言と思ってください。

結論から申しますと、今回その変化をもたらした因子というのが蒲生氏郷という人物です。好きのいう方も初めて名前を聞いたという方もいらっしゃるでしょうから、ごくごく簡単に人物紹介をしておきましょう。


蒲生氏郷という人物】
蒲生氏郷(1556〜1595)は近江(現滋賀県)生まれの戦国武将で、幼少より秀才で知られており、あの織田信長の次女を正室として迎えられる程の信頼を得ます。
本能寺の変で信長が横死すると秀吉に従い、賤ヶ岳の戦い小牧・長久手の戦い小田原征伐と、いずれも秀吉を天下人に躍進させた数々の重要な戦で活躍をします。
秀吉の天下統一後、蒲生家は会津に移ります。豊臣への臣従が最も遅れた伊達家を抑える役目もあったのでしょう。葛西大崎一揆の鎮圧にも貢献。この一揆の首謀者は伊達政宗であると告発したのも氏郷です。
まさに実も花もある男といった氏郷ですが、文禄四年(1595年)に伏見の屋敷にて40歳の若さで病没します。

【氏郷にはキャラ付要素がいっぱい】
私はコーエーテクモの関係者でもないので社内の選定基準は分かりませんが、数多の戦国武将の中から戦国無双のPCに選ばれるには

1,発表して名前だけでも盛り上がるな知名
2,「無双武将」に相応しい勇敢さを表す逸話
3,デザインに困らぬ所用の甲冑やゆかりの品
4,既存の無双武将と多く接点を持っている事

これらの点が重視されるであろうことは想像に難くありません。
では、蒲生氏郷をこの4つの基準に当てはめるとどのような評価になるかを見てみましょう。


1,知名度
ここは判断が難しいところです。大河ドラマなどはとりあえず最初の数話は必ず毎年見るようないわゆる歴史ファン、モチーフにしていると一度はどのような取り入れ方をしているか一応見てしまうような戦国時代ファンの間では、蒲生氏郷は間違いなく高い知名度を誇ります。
しかしながらソレはあくまで「コアな」ファンの間であり、ここを基準に持ってくるのは下策でしょう。極端な例ですが、氏郷と信長を同程度の認知度と思って扱うと、圧倒的大多数の非歴史ファンを置いてけぼりにしてしまいます。
また、少し矛盾するようですが、近年の無双においては知名度という尺度は若干後回しにされがち*1な傾向もあるので、この話は一旦置いておきましょう。

2,逸話
逸話は主にPC化した際の性格、キャラ付に影響します。この点に関して氏郷は圧倒的なアドバンテージを持っています。
蒲生家では評定にて自由闊達な議論が励行されており、当時では最高級のもてなしとされた風呂を当主の氏郷自らが入れて家臣をねぎらうという特異なまでの団結力を見せます。夜の番で寝落ちするのを防ぐため、博打を許可するなど柔軟性ある人物だったのでしょう。
先に述べた会津に移ったのも秀吉は氏郷の才覚を恐れて上方から外したなどという記録もある一方で秀吉をして百万の兵を率いらせるに相応しい人物と評されたという逸話を持ちます。秀吉が氏郷を恐れていたか否かは判断しかねますが、いずれにせよその武勇も当時から高く評価されていたようです。
会津に移ったのに、寒冷な気候に下がる士気を高めるために裸に鎧を着込んで兵を鼓舞するというtiktokの体を張った芸のようなこともしており、利休七哲の筆頭である当時トップクラスの教養人でありながら豪胆な一面も持つ人柄だったのでしょう。
また、氏郷はキリシタン大名でもありレオンという名も持っています。宗教色を可能な限り漂白する傾向にある戦国無双において、直接的な描写は難しいのですが、コレもキャラ付において使える要素の一つです。


3,ゆかりの品々
氏郷の所用として伝わる燕尾形兜は、数ある奇抜な鎧兜の中でも有数のデザイン性を誇ります。黒一色の甲冑に、二股に伸びたシャープな兜。
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ネットでは蒲生氏郷をアメコミヒーローの代表格であるバットマンとの愛称も見受けられますが、ソレはこの甲冑に由来します。コーエーの他作品においてもこの鎧をベースにしたデザインで登場する事も多いです。大幅なアレンジを加えずともデザインとして映えるシンボリックな甲冑を持つというのは非常に大きなアドバンテージと言っていいでしょう。

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信長の野望 創造』での蒲生氏郷


4,既存無双武将との接点
上で述べた通り、氏郷は信長が娘を嫁がせるほどの名門であり、秀吉が警戒するほどの俊英なだけでなく、彼の後半生にて度々伊達政宗と戦うことになります。
政宗がスパイとして小姓を送り込むも露見する。氏郷は年少にして命をとして任務を遂行しようとした小姓を重んじて、政宗のもとに送還した。
②伊達家と蒲生家の領土が隣接しており、何かにつけて争った。
③氏郷が政宗の陣に寄ったとき、政宗が茶に毒を仕込んだが、情報を得ていた氏郷は難を逃れ、街道沿いを放火して報復した

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戦乱期とは言えお前…

それぞれの真偽は置いておくにせよ、とにかく何かにつけて争う水と油の関係だったようです。
以上4観点から見ても、氏郷はキャラ付けするネタに事欠かず、デザインも非常に分かりやすく人口に膾炙するものを作りやすい極めて優秀な人材と言えます。


【なぜ今蒲生氏郷参戦論なのか】
当ブログでも何度か紹介してきました『仁王2』にて、無料大型アップデートver1.09の配信がありました。ここでの配信内容は

・100万本販売を記念した装備の配布
フォトモードの実装
・新規ステージの追加
・各種バグの修正

の4点です。この中の追加ステージに麒麟児の誘い』というものがありました。前作『仁王』から見られた一対一の決闘型ミッションで、ボス戦単体を楽しめるものです。ここでの決闘相手が蒲生氏郷なのです。決闘型ミッションの多くはメインストーリーで戦ったボスですが、時折ストーリー上戦うことのないキャラクターとも試合や稽古という形で戦うことができます。
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 では『仁王2』において蒲生氏郷がメインストーリー上で戦ったり、キャラが濃いながらも、戦うことが適わなかったかというと、全くそんなことはなく、とあるサブミッションのラストに顔出しをする程度の目立ち方でした。にもかかわらず今回のアップデートで専用ステージをもらう明らかな好待遇*2です。
 『仁王』に出る人物全員が無双シリーズにてPC化することが確約されているわけではありませんが、同社の製品同士である以上、ある程度のデザイン・キャラ付け・扱いの良しあしなどは似た傾向にあるとみて問題ないでしょう。要するに、ここにきて蒲生氏郷が参戦するフラグなのではという要素が強まったわけです。

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『仁王2』での蒲生氏郷。やはり燕尾形兜と黒い甲冑で、「麒麟児の誘い」では二刀流と鉄砲を使う。

【氏郷参戦は愛姫を阻むか】
 前項で示した通り、氏郷が最も接点を多く持つであろう既存の無双武将は織田信長豊臣秀吉伊達政宗三者ですが無双の信長は魔王然としたキャラ付けで「この才ある若者に愛娘を託そう!」という人間的な逸話は少々難しい気もします(2以降はなんか変なモラリストですが)。秀吉は交友関係過多を起こしており、逸話の多さ・濃さを見ても伊達政宗と関わるのが妥当でしょう。
 政宗犬猿の仲の氏郷が追加された場合、貴重なPC枠*3にもう一人伊達家に2つも割けるでしょうか?氏郷参戦は政宗の物語を厚くするうえで欠かせず、私も希望している武将の一人です。しかしながら、再三申すように私の希望は一にも二にも愛姫参戦ですので、手放しに喜べぬというところです。無論これは他シリーズでの動きから邪推したものではありますが、かれこれ10年以上愛姫参戦を訴えている身としては、気がつくとモンペ気味になってしまうんですね。










難癖つけて蒲生氏郷を敬遠するあたり、本格的に伊達家の人間になってきた気がする。

*1:茶々はその後出たけど、まつや茶々より先に早川殿や小少将が出ると思わないじゃん…

*2:前作でもサブミッションでのみ登場した佐々木小次郎との決闘ステージがあったので、決して氏郷が初の例というわけではない。

*3:ナンバリングタイトルでも8~9人の追加

【禍話リライトシリーズ】まみさんの家

※怖い話を文章化したものです。苦手な方は御注意ください。

 

 

 

 

 これは、ベテランと呼んで差し支えない教師A子から聞いた話だ。A子が新任教師として母校に着任した年のことだというから、もう20年ほど前のことになる。当時のA子の指導担当として面倒を見てくれたのは、生徒から祖父のように慕われる穏やかな男性Dで、細やかなアドバイスや、授業なども伸び伸びと挑戦させてくれる寛容さを持つ素晴らしい人物であった。

「だからねぇ、本当に初任校は楽しかったわ。その先生の副担任だったんだけど、生徒も歳が近いのもあって慕ってくれてさ。子供たち同士も結構仲良くてね。でもアレは忘れられなくてねぇ」

 A子は、師であるDを思い出すときとは打って変わって冴えない様子で語り始めた。

 

 

 ある報告がA子のもとに届いた。ここ最近、副担任をするクラスの生徒の何人かの帰りが遅いのだという。名前が挙がった三、四人の女子生徒はどれも明るく素直な子たちで、当時は不良のたまり場となっていた地元のゲームセンターなどに興味を示すようにも思えない。最近駅の近くに雀荘ができたが…と考えたが、彼女らが卓を囲む姿というのは想像もつかない。

「う~ん、少し上の代の先輩たちも荒れてるって子たちじゃないから、悪い先輩と繋がりあるとも考えらないしねぇ。まー、あの子らならごまかさずに答えてくれるだろうし、A子先生の方から聞いてみてくれる?」

 生徒の顔ぶれも、およそ不良というカテゴリとは最も縁遠いものであったから、Dも大きくとらえなかった。Dから頼まれたA子は、その日の放課後に早速該当する生徒に声をかけた。授業時もいつもと変わりない、むしろハツラツとした印象を抱くほどであったが、帰り際に呼び止めても嫌なそぶりも見せず、健全そのものだ。A子は思い切って、単刀直入に聞いてみた。すると女子生徒グループのうちの一人が口を開いた。

「あー、マミさんの家に行ってるんですよ」

「マミさん?」

「あ、帰り道の途中にある、郵便局から駅の方に向かっていくとある結構大きな家の人で。最近そこにみんなで行ってるんです」

「でもそっか。ちょっと遅くなっちゃったりすることもあったりしたからお母さんとか心配しちゃったのかな…」

「そのマミさんっていうのは、誰かのお母さんとかじゃなくて?」

「友達のお母さんではないですよ。あれ?でも、どうなんだろ。マミさんめっちゃ美人だけど、お母さんって風な歳かな?年齢分からないくらい綺麗で」

「ねー、家大きいし何か習い事の先生っぽいんですよ」

「うーん、じゃあそこでみんなで遊んだりしてるんだ?」

「遊ぶっていうか、本当にマミさんの家でお話したり、テスト近いと一緒に勉強したりとかですね」

 学校関係者には心当たりのない人物だった。しかもそこで何か学校や教師に言えないことをしている様子もない。目の前の子供たちは、その「マミさん」という人物の家で過ごすことを実に楽しそうに語るし、保護者が心配することを素直に受け止めて「今日はお母さんに言わなきゃ」だとか、牧歌的なまでに健やかだ。自分がその「マミさん」と会って判断すべきなのだろうか。

「じゃあすごくいい人なんだ。うーん、でもほら、先生も立場的にやっぱり一度一緒に行って会ってもいいかな?疑っちゃうようで悪いんだけどさ」

「あ、そうですよね。たぶん全然問題ないとは思うんで、今日聞いてみますね」

 至極穏やかに尋問は終わった。Dに一部始終を話したが、なるほどそれなら一度会って人となりを知れば問題なかろうと判断した。

 

 

翌日には授業が終わると件の生徒たちの方からA子に話しかけてきた。

「昨日のこと、マミさんに話したんですよ」

「あ、話してくれたんだ!ありがとう」

「というかマミさんがすごくて、『いつも寄ってるとご家庭とか学校の人も心配するかもしれないから、今度一緒に遊びにおいで』って先に出して。心読んでるみたいなの」

「ねー!あっ、でもマミさんならできそうじゃない?」

「分かる、『昔こういうの流行ってねー結構当たったのよー』とか言いそう」

 生徒は似ているのか似てないのか分からぬモノマネでキャッキャと笑っている。危険な人ではないと思っていたが、想像以上に穏やかな人なようだ。後ろめたいものがあるなら関わりを積極的に持とうともしないだろう。話はとんとん拍子に進み、A子はその日の放課後に生徒と共に「マミさん」の家に向かうことにした。

 

「先生、わざわざご足労いただき申し訳ありません」

「あっ、いえ、こちらこそ急に押しかけてしまい…」

 思わず恐縮してしまうような立派な門構えの邸宅と、柔らかな物腰。生徒たちがマミさんと呼んで慕う人物は、恭しくA子を迎え入れてくれた。切れ長な目が涼しげな印象を与える整った顔の女性で、生徒の言う通り誰かの母親という歳にも見えないが、歳不相応に落ち着いている…有り体に言えばどこか老婆然とした円熟した穏やかさがある。

 盆に乗せた菓子も煎餅や落雁など、どこか古風なものが多く、いわゆる「今どき」な子たちが好んで選ぶものではないが、女子生徒たちは嬉しそうに手を伸ばしながら話に花を咲かせた。

「いえね、私も学校や御家庭にお話をしっかりしないままというのはよろしくないなと思っておりまして。ましてや女の子たちですから、なおさら心配なさるでしょうし」

「わたしのお母さん全然心配なんてしないよ~」

「こーら、そういうことを言うもんじゃありませんよ」

「は~い」

 子どもへの対応もしっかりした人だ。思春期の気難しい子供たちも彼女の言葉はよく聞くのも納得がいく。女の子たちはテレビを付けるでもなく、談笑を続けている。家の主はそれをにこやかに聞きながら、時折大人同士の会話が続けられた。

「ほらこのくらいの年頃の子たちには、こういう心の気晴らしと言いますか、余剰みたいなものを提供できればと思いまして…なんて言っておりますけど、私の楽しみでもあるんですよ。先生を前に恥ずかしいものですが、少しくらいなら勉強も見てあげられますし、この子たちの恋愛相談なんかは年甲斐もなく私がはしゃいじゃってね」

「ちょっとマミさん、先生には言わないでよ~!」

「ふふ、ごめんごめん。そういうわけで先生、こうして放課後に場所を提供しているんですよ」

 結局、二時間ほど滞在して、A子は生徒と共に家を出た。全くの無害、というのが新任ながらA子の教師としての判断だった。涼しげな印象の顔が、笑顔になると温かい丸さを帯び、人懐っこい動物の様な雰囲気にA子もたった一日で良い人だなと思った。

 生徒にもう今日はまっすぐ帰るように言ってから学校に戻り、自身の印象を交えて報告すると、Dも納得したようだった。

「名前は、マミさんでしたっけ?上の名前は表札とかにあったでしょう?」

 そこではじめてA子は、自分が名前を確かめ忘れていたことに気付いた。表札は見ていたが、複雑な漢字を見慣れない書体で書いていたので読めなかったし、家の中にも名前を記すようなものも見当たらなかった。氏名が分からぬまま管理職に報告するというのもバツが悪いので、結局この件は特段言及することもなく、問題のない些末なこととして処理された。

 

 それからしばらく、女子生徒の間でマミさんの評判が広がり、家に訪れる人も増えるようになった。そんな中、一人の女子生徒が、男性教師のEに「密告」をした。曰く、マミさんの家で二人きりのタイミングになり、性的な悪戯を受けそうになったというのだが、これは誰の目からも嘘であると明らかだった。その女子生徒は平素の人間関係からマミさんの家に行く一向から除け者にされがちであったので、彼女らの憩いの場をかき乱そうと思いついたつまらぬ虚偽である。しかしながら報告を受けた相手がEというのが良くなかった。Eは減点方式でしか人を見ず、一度敵と見なせば埃が出るまで叩き続ける底意地の悪い性格で、生徒からも同僚からも嫌われている男である。問題を大事にするには最適解な人物であったので、この女子生徒もEの陰湿な性格を見込んで「被害報告」をしたのだろう。

 ことは女子生徒の望み通りに進んだ。EはPTAとの連絡会議で、二回りも歳が離れたA子を、氏素性の知れぬ相手の家にまで言っておきながら問題を軽く見て、今回のような生徒を傷つける事態を引き起こした要因の一つとして、一切の弁明を許さず糾弾し、保護者のまえで「マミさんの家に行くことは一切禁止」という校長からの言質を取った。

 翌日、朝のホームルームでその旨が言い渡されると、生徒は目に見えて落胆した。無理もないことだとA子は思っていたし、まるで不正を取り締まった憲兵のような気分でいるEや、嘘を密告した女子生徒への憎悪を募らせるのも予想通りであった。

 

 

二日ほどして、放課後にマミさんが来校した。A子の顔を見ると、申し訳なさそうに深々と頭を下げた。

「このたびは本当に申し訳ありませんでした…今後先生にご迷惑がありませんよう、これ、私の名刺ですので…」

 マミさんはそう言って名刺を渡すと、終始申し訳なさそうに、慕ってくれていた生徒とも会わぬように裏門から帰っていった。A子もこんな折り目正しい人を守りきれなかった罪悪感もあったので何度も謝り、小さくなるまで後ろ姿を見送った。名刺をその場でしげしげと眺めるわけにもいかないので、自分の名刺入れにしまい込んだ。お茶でも飲んで落ち着こうと給湯室に向かう。

「あ、A子…」

 洗い場に居たのは、同じく新任の女性教諭であった。どうしたわけだか顔面蒼白で、男物の湯飲みを握っている。

「え、どうしたの?手とか切っちゃった?」

「いや違うの…これ…」

 湯呑の底には、十円玉が転がっていた。

「ん?誰のこれ?銅って有毒なんじゃない?」

「だよね…これ、Eのなんだけど…これさ、三回目なんだよ…」

「えっ!?」

 彼女の話では、先日のPTAとの会議の後に湯呑を洗うよう言われたとき、昨日の放課後、そして今日と三日連続にわたってEの湯飲みの底に十円玉が落ちているのだという。

「最初は馬鹿だなーって、私E嫌いだし…でも、これ三日連続ってヤバいよね…?」

 喉の渇きも忘れ、職員室に戻ったが、Eは何ら変わらずパソコンに向き合っている。気持ちが悪いと思ったが、関わりたくもない人間なのでそれ以上言及するのをやめた。

問題は、週末をまたいだ月曜日に起こった。

警察から学校に、生徒を補導したとの電話が来たのだ。補導されたのは、マミさんの家で被害に遭ったと嘘をついた女子生徒であった。その日、彼女は家族と一緒に近所のショッピングモールに出かけたが、途中で気分が悪くなったので一足先に車に戻った。駐車場についた彼女は、周りに停めてあった車に財布の中にあった十円玉を使って、傷をつけて回った。警備員が駆け付けたときには、錯乱と言って差し支えのない状態だったらしく、彼女はしばらく学校を休むこととなった。

A子は途端に怖くなった。女子生徒もEも、言わずもがなマミさんを追いやった主犯格だ。わけもわからぬまま、Dに補導の話とEの湯呑に関する奇行を報告すると、平素落ち着いた様子のDも、ひどく動揺した様子だった。マミさんに関する話を、比較的初期から知っているのは自分とDだけだ。職員室の端で二人だけで血の気が引いた顔をして黙り込んだ。するとにわかに周りがざわつき始めた。先日給湯室で会った同期の女にいたっては、半分涙目になっている。ざわつきの中心にはEがいた。

『先週末あたりから、授業中にEが飴をなめているように口を動かすと息子が話していたが、本当ならばいかがなものか』という電話が学校に来たので、教頭がEに事の真相を確かめた。するとEは

「僕は飴なんかなめてませんよ、ほらぁ」

と、口を開けて舌に乗った十円玉を見せた。それまでのことを知らない人間も、この異常さに大騒ぎになった。

 こうも立て続けに十円玉を介して奇行に走ると、否が応にも縁起の悪い何かを想起せざるを得ない。

「そ、そうだ。A子先生、名刺貰ったでしょ。名刺」

「あっ!」

 そうだ。あの時マミさんから渡された名刺は、給湯室の一件ですっかり忘れていてDに言われるまで記憶の隅に追いやられていた。急いで取り出してはじめて気づいた。

 それは名刺ではなかった。厚さや大きさは上手に寄せているが、ハサミで切った手作りの紙片だった。その紙には真ん中に一言だけ、達筆な字。

 

『狐狗狸さん』

 

こっくりさん

 

紙を持つ手が震えるA子をよそに、国語科だったDは恐怖の中で奇怪な一連のことがつながる感覚を覚えた。深い皺が出来るほど力を込めて目を瞑り、自分に落ち着くよう言い聞かせるように深く息を吐くと、A子の手にある紙をもう一度見た。気づきが正しくないよう、見間違いであって欲しかったが、何度見ても字に変化はない。

「あぁ…そっかぁ……」

「えっ?」

「A子先生…狸ってね、マミって読むんだよ…」

「え、そんな…だってさすがに…えぇ…」

タヌキやムジナを指した『猯(まみ)』という字があるように、タヌキには「まみ」という読み方が存在する。それは『狸』という字にも当てはまる。

表札が読めなかったのも無理からぬ話だ。手書きのような書体でただでさえ読みづらいのに、まさか『狐狗』などと書かれていようとは、想定しようもない。

もはやその行動が正しいのかも分からぬが、放課後になるとA子とDは震える足で「マミさん」の家を訪ねた。しかしすでに彼女は立派な邸宅を置いて引っ越しており、足取りは掴みようもなかった。それから数日間、よく彼女に家に通っていた女子生徒らが、目鼻が吊り上がり、獣のような形相になったマミさんが夢に出たと泣きじゃくりながら相談に来るとになったが、彼女たちにそれ以上の実害は起こらなかった。

結局、すべて何であったのか分からず仕舞いである。

ただ事実として、Eも錯乱した女子生徒も、それ以来学校に戻ってくることはなかった。

 

 

余談であるが、人をたぶらかす邪悪な魔物を指して「魔魅」と呼ぶのは、『太平記』などにも見られる表現である。

 

 

 

 

 

 

この話は、怖い話をするツイキャス『ザ・禍話 第九夜』を文章化したものです。文章化するにあたり一部再構成をしています。

twitcasting.tv

【ゲームの話】えぇ!?戦国無双5の終盤シナリオ案が!?

流出するわけねぇだろ。いつものだよ。
いくぞ!!!!!!!!!!!!!

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道明寺の戦い(徳川軍)

【ナレーション】
徳川、豊臣の和睦は破棄され、再び戦いは熾烈を極めていた。本多正信伊達政宗を中心とした幕府軍は小松山に進軍した後藤又兵衛らを包囲した。又兵衛救援のため、真田幸村毛利勝永らが急行する。戦線が膠着する中、又兵衛はある一念を胸に槍を取った。


【ムービー】
又兵衛「満々たる敵兵……」
山頂から槍で左から右に指す先には、埋め尽くすような幕府軍。又兵衛の口元のアップ。口角が少しが上がる。
又兵衛「絶景じゃねぇか!悪いな幸村、俺は俺のやり方でいかせてもらうぜ!」
カメラが山を駆け下り、又兵衛軍を見つめる政宗(壮年期)と愛姫。
愛姫「明らかな突出…真田、毛利隊も後方に確認できており、陽動でないとの報も入っております」
政宗「逸ったか…いや……」
愛姫「政宗様…?」
政宗「死に場所、か……」
思考を払うように頭を振ると、政宗は愛姫の方に向き合う。
政宗「愛、此度も頼んだぞ」
愛姫「仰せのままに我が殿」
二人で再び山頂の又兵衛の陣を見つめながらカメラが空へ引いていく。

【ステージ概況】
本多正信「さて…又兵衛は焦れたか幸村めらを置いて出過ぎたようですの。ではでは、伊達殿はこれを討ってくだされ。敵の主力たる又兵衛を討てば戦局は我々に大きく偏ります。くれぐれも仕損じぬよう…」

正信は鎖帷子こそ着ているが、緩やかな着物と頭巾が隠居老人のようなデザイン。掴みどころがない雰囲気を出しており、持ち手がうねった木の杖を両手でつく。CVは三木眞一郎

【ステージ進行】
政宗「敵は孤立しておる!間断なく攻めかけ、援軍が来る前に叩くのじゃ!」
又兵衛がいるステージ西方寄り(左)に向かい、正信、政宗、愛姫の三軍が集まる形で進軍。
正信「後藤又兵衛は豊臣方屈指の猛者。ここで討ち取らば戦も大きく動きますなぁ」
このステージは正信による策を全て成功させる+後藤又兵衛毛利勝永を正信が撃破することで、正信のユニーク武器が入手可能。
正信の策の成否で又兵衛や(援軍として後半に出てくる)幸村の強さが大きく変わる。
愛姫「間者よりの報では。真田、毛利隊が到着するまで若干の時間がございます」
政宗「よし、なんとしても速やかに又兵衛を討つぞ!」
開始してしばらくすると愛姫が戦場から一時離脱。
正信「まずは一つ目…先の戦にて失態を演じた薄田兼助から崩しましょうか」
本多正信の策1つ目、指定ポイントまで進軍して薄田兼助を挑発。これにより兼助は進軍先を変え、後藤又兵衛への援軍が遅れる。
又兵衛「ちい、薄田の阿呆が!まんまと乗せられやがって!」
後藤又兵衛の防御力が低下する。薄田兼助が完全に脱線してから、政宗が山の中腹にいる井上時利を1分半以内に撃破すると2つ目の策が展開される。
正信「さてさて、二つ目にござる。伊達殿、手筈通りに」
政宗「承知じゃ!」

【演出ムービー】
政宗の号令のもと斉射する鉄砲隊。又兵衛は槍を回しながら弾丸を弾き飛ばす。又兵衛が横に薙ぎ払った瞬間、視界の端に光が射す。政宗の拳銃から放たれた一発が又兵衛の左肩を貫く。政宗は嘲るように笑みを浮かべると、即座に後退命令を下す。


又兵衛「ぐぁ!やりやがったなてめえ!」
又兵衛の攻撃力が低下。同時に又兵衛は政宗隊に向かって進軍。政宗がステージ中央まで下ると又兵衛隊の横を突くを位置に愛姫隊が再登場。
愛姫「鉄砲隊、狙い撃て」
正信「さてさて、刈り取るといたそうかの」
正信で又兵衛を撃破するのもユニーク武器獲得の条件。ステージ開始から7分で真田幸村(壮年期)、毛利勝永隊がステージ北西に登場。又兵衛が撃破済みかどうかで登場セリフが変化し、未撃破の場合は幸村の攻撃力・防御力が上昇。
正信「真田幸村は勿論ながら、毛利もまた厄介ですの。さてさて、では私めが…」
ミッション「語られぬ勇将」が発生。正信が無双奥義で毛利勝永を撃破すると成功。
くのいち「目標補足、排除開始…」
愛姫「らしくないな真田の忍」
くのいち「今回はおふざけはなしだからね。マジだよ」
幸村「政宗殿…我らの奇妙な縁も仕舞いにいたしましょう」
政宗「あぁ、もうここらで良かろうよ。友を撃つのももう飽いたわ」
幸村「貫かせていただく!」
幸村撃破でステージクリア。政宗の無双奥義で撃破すると、幸村が政宗を見込んで身内を託す特殊会話が発生。
政宗「この期に及びいまだに心残りか!幸村!」
幸村「気づいておいででしたか…」
政宗「有象無象の百万人に見抜けずとも、この独眼は欺けぬぞ!」
幸村「……政宗殿…恥を忍び、憐れみを乞い申す」


【会話イベント】
正信「猛将後藤又兵衛を討ち取る大功…さすがは伊達殿にございますなぁ」
政宗「過分なお言葉にて」
正信「しかし、妬みでしょうかの。伊達の陣中に真田の使いが訪れているとの悪い噂も聞きましての、いやはや…」
政宗「我らの陣に?ッハハハ、面白きことを思いつく者がおるものじゃ!」
正信「なれば、あの娘たちは幸村の縁者ではない…と?」
政宗「無論、我が家臣の娘にござる。我らは上方を知らぬ田舎武者ゆえ、見物に連れて参ったのじゃ」
正信「ふぅむ……いや、失礼いたした。では、次の戦でも大いに活躍してくださることでしょう。この正信もしっかり見学させていただきまするぞ」
政宗「恐悦至極にござる。独眼竜の戦、とくと照覧あれ」

ナレーション『伊達政宗真田幸村の縁者を保護し、片倉小十郎の息子重綱の養子とした。この件で政宗は度々幕府から疑いをかけられるが、生涯この縁者を守り続けた』








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仁王2やって戦国無双5を待つ日々

仁王2

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【ゲームの話】我が家の千代ちゃん

皆さんこんにちは、のづです。
本日は先日も紹介した『仁王2』

notturia.hatenablog.com

のエディット機能で作り上げた好みどストライクな我が家の千代ちゃん(秀千代)のフォトアルバムです。
あとで自分で見てニコニコするために本当にひたすら貼るだけの記事です。

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自分の出自すら知らず、唯一自身のアイデンティティとの繋がりとなる短刀を大切に持つ健気な千代ちゃん。

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突然のことにびっくりしちゃう千代ちゃん。

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強めに引いたグリーンのアイシャドーが半妖感を引き立てていて可愛いアップ千代ちゃん。


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乱世の悲劇に心を痛める心優しい千代ちゃん。

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照明焚きまくり千代ちゃん。

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抜刀千代ちゃん&気づき千代ちゃん。

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上目遣いや

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ハッとしたり…

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時にはイメチェンをしたりも。

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見返り美人

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寒色系も映える。



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悲壮な決意を胸に。キリッと

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接写

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自然光のなかでもかわいい千代ちゃん。


大胆な一面も



外見コードも発行したので、気に入った方は使ってください。


みんなも仁王2で性癖に素直になろう

仁王2

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